「健康診断や学校検診の心電図では異常なしだったのに、
最近どうも体調不良があるな。」
そんなふうに感じたことはありませんか?
動悸がする、胸が痛む、息切れする、疲れやすい…。
でも検査結果は「異常なし」。
「気のせいかな」「年のせいかな」と、
そのままやり過ごしてしまっている方も多いかもしれません。
でも実は――
“異常なし”=“病気じゃない”とは限りません。

心電図検査で「異常あり」と言われた方は、
下記リンクをご参照ください。
心電図は「その瞬間」の心臓をとらえます
心電図検査は、検査中の“その瞬間”の、
心臓の電気的な動きを記録する検査です。
つまり、その瞬間の心臓の状態が正常であれば、
「異常なし」と判定されることもよくあります。
でも実際には、
症状が出たり消えたりする間欠的な異常や、
夜間・ストレス時にだけ起こる不整脈など、
検査時間のタイミングでは現れない異常も少なくありません。
「検査のときは平気だったけど、家ではドキドキする」
「夜になると胸が苦しくなる」
「坂道を上ると息切れがひどい」
そのようなケースでは、
心電図ではわからないけれど、
実は何か異常が隠れているという可能性もあります。
心電図で異常なし|狭心症や心筋梗塞は?

たとえば「狭心症(きょうしんしょう)」という病気では、
胸の症状が出ているときにだけ心電図に変化があらわれ、
症状がないときには、正常に見えることもあります。
同じように、「心筋梗塞(しんきんこうそく)」の前ぶれとして、
胸の違和感や動悸などの軽い症状が出る場合も、
タイミングによっては心電図に異常が出ないこともあります。
「異常なし」と言われても、
気になる症状が続くときには、
健康診断や学校検診の検査結果だけで安心しすぎず、
ぜひ循環器内科・循環器科でしっかり相談してみてくださいね。
心電図検査の後に、病気が出てくることもあります
もうひとつ大切なことがあります。
それは、心電図をとった“あと”に、
病気が始まることもあるということです。
健康診断や学校検診の心電図で異常がなかったからと、
その結果をいつまでも「大丈夫の証拠」と思い続けるのはリスクがあります。
病気は、心電図検査の直後から数ヶ月以内に始まることもありますし、
加齢や生活習慣の変化によっても進行します。
自覚症状があるのに、
「この前の健康診断で異常なしだったから、きっと大丈夫」
と思い込んでしまうと、
病気のサインを見逃してしまう可能性もあるのです。
気になる体調の変化があるときは、
過去の検査結果よりも“今のあなたの状態”を大切にしてください。
不安があるなら、早めに医師に相談してみましょう。
こんな症状があるときは要注意です
心電図で「異常なし」の判定でも、
以下のような症状がある場合は、
心臓の病気が隠れている可能性もあるため、
早めの受診が推奨されます:
- 動悸がする、脈が飛ぶ感じがある
- 失神
- 気を失いかける
- 胸がぎゅっと締めつけられるような感覚がある
- 少し動いただけで息切れや疲労感が強くなる
- 胸の違和感が繰り返し出る
これらは、狭心症や不整脈の前兆として現れることもあります。
症状があるときは、
心電図検査の結果だけで判断せず、
専門の医師に相談することが大切です。
必要に応じて受けられる検査もあります
症状があるのに心電図で異常がない場合、
循環器内科・循環器科などに受診されると、
必要に応じて別の検査が提案されることがあります。
たとえば以下のような検査です:
ホルター心電図
小型の装置をつけて24時間心電図を記録し、
日常生活中の異常をチェックします。
運動負荷心電図
ルームランナーやエアロバイクなどで、
体を動かしながら心電図をとり、
運動時の心臓の変化を調べます。
心エコー(心臓超音波検査)
超音波で心臓の動きや形、
弁の働きなどをリアルタイムで観察します。
血液検査
心筋にダメージがないか、
心不全の兆候がないかなどを、
血液中の成分から調べます。
その他
他にも症状にあわせた、様々な検査があります。
まとめ
健康診断や学校検診の心電図で「異常なし」と言われても、
それはあくまで一時点の結果です。
体調不良が続く場合や、
新たな症状が出てきた場合は、
健康診断や学校検診の心電図結果だけで判断せず、
必要に応じて、
循環器内科・循環器科の受診を検討しましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!