心電図の「判定不能」はなぜ?原因は?スマートウォッチでも起きる?

健康診断や学校検診の結果に「心電図:判定不能」と書かれていたら、
誰でも少し心配になりますよね。

「えっ、もしかして重大な異常?」
「病気の可能性ってこと?」

・・・と考えてしまうのも当然です。

でも実は、“判定不能”=異常があるとは限らないのです。

この言葉は、いくつかの理由で「うまく判定できなかった」という意味で使われており、
ノイズや測定環境が原因であることが多いのが実際です。

循環器専門医が、そんな“判定不能”の本当の意味と、なぜ起きるのか、
よくある原因、スマートウォッチ心電図との関連についても、

わかりやすくお話ししていきます。

心電図の上にハートの模型が置いてあります。

このページは、下記の親ページ続編として書かれています。

よろしければ、最初からご覧ください。

心電図の異常を指摘されたら?

心電図の判定不能=異常とは限りません

心電図の判定は、現在多くの場合で、
AIやアルゴリズムによる自動解析が用いられています。

そのため、データの質が悪い・情報が足りない・波形が微妙…というときに、
「判定不能」という結果となることがあります。

これは、「異常がある」ではなく、
判断する材料が不足していた」というニュアンスなのです。

判定不能の心電図、よくある原因は?

心電図の判定不能の原因について、循環器専門医が優しく説明しています。

ノイズ(電気的な乱れ)

体動による筋肉の動き、周辺機械からの電波干渉、皮膚の乾燥などによって、
心電図波形に“雑音”が入り、

波形が読み取れないケースです。

これが最も多い原因といわれています。

電極のずれ・皮膚の状態

電極の貼り付け方が不十分だったり、乾燥などにより皮膚の状態が悪かったりすると、
電気信号がうまく拾えず、

波形が正しく表示されません。

境界的な所見

「正常っぽいけど、少し変…?」というグレーゾーンの場合、
AIやアルゴリズムによる自動解析では判断がつかず、

「判定不能」となることがあります。

測定時間が短い

記録時間が短かいと、
安定した解析ができずに「判定不能」とされることもあります。

心電図記録のポイントについて

スマートウォッチの心電図でも「判定不能」はよくある?

Apple Watch(アップル ウォッチ)やFitbit(フィットビット)など、
心電図機能つきのスマートウォッチを使っている方も増えてきました。

こうしたデバイスでも、

「判定不能」、「うまく記録できませんでした」、「再測定してください」、

といった表示が出ることがあります。

この理由も、上記と同じで、

  • 測定中に動いてしまった
  • 手首が乾燥していて接触が悪い
  • 周囲の電波の影響を受けた

といった環境的な原因が大半です。

異常があるからではなく、
「きちんと測れなかっただけ」というケースが多いので、

あまり神経質になる必要はありません。

スマートウォッチ心電図で不整脈はわかる?

執筆時点での情報をもとにしています。

※スマートウォッチの機能や医療機器認定は日々アップデートされていますので、
 最新情報はメーカーや公式発表をご確認ください。

「再検査してください」はどう受け止めればいい?

健康診断で「判定不能」となった場合、
「再検査」と書かれることがあります。

これも、念のため、きちんとした環境で再測定しましょう
という意味合いが強いです。

多くの場合、再度心電図をとるだけで「異常なし」となることがほとんどです。

逆に、判定不能のまま放置してしまうと、
重要な異常を見落とす可能性もあるので、循環器内科・循環器科を受診して、

再検査を受けてくださいね

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まとめ

「判定不能」と聞くとドキッとしますが、
実際にはノイズや測定環境が原因のケースが大半です。

とはいえ、「もう一度ちゃんと測る」という意味での再検査は大切です。

安心のためにも、
一度医療機関で12誘導心電図を受けてみることをおすすめします。

また、スマートウォッチでの測定も便利なツールですが、
判定不能は、必ずしも病気ではないということを理解して、

上手に活用していきましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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