夏の脱水は不整脈の引き金に?原因と予防のポイント

夏は高温多湿の環境で、
知らず知らずのうちに体内の水分や塩分が失われやすく、

脱水症状を引き起こしやすい季節です。

実は、この脱水がきっかけで「不整脈」が現れることがあります。

この記事では、夏に起こりやすい脱水と不整脈の関係、
その症状や予防法などについて解説します。

太陽が照り、日差しが強く気温が高い夏のゴルフ場に、心電図モニター波形を描いています。

脱水と不整脈の関係

脱水になると血液中の水分が減ってしまいます。

その分、心臓はより強く・速く動いて全身に血液を送ろうとします。

心臓の構造と血液循環についてはこちら

この状態が長く続くと、心拍が不安定になり、
不整脈が出やすくなります。

特に心臓に持病がある方や高齢者では、
軽い脱水でも脈の乱れが起こることがあります。

脱水で起こりやすい不整脈の種類

医師が脱水で起こりやすい不整脈について説明しています。

期外収縮

心臓が一瞬早く動いてしまうことで、
「脈が飛んだ」ように感じる現象です。

健康な方でも起こることがありますが、
ストレスや睡眠不足で生じたり、

心臓の病気が隠れていることもあります。

上室性期外収縮についてはこちら

心室性期外収縮についてはこちら

心房細動

心臓の上の部屋(心房)が小刻みに震えて、
脈がバラバラになる不整脈です。

息切れや動悸が出るほか、
血の塊(血栓)ができて脳梗塞の原因になることもあります。

心房細動についてはこちら

頻脈性不整脈

脈が極端に速くなる不整脈の総称で、
動悸や息切れ、めまいを引き起こします。

体調や生活に支障が出ることがあり、
繰り返す場合は医療機関での評価が必要です。

脱水と不整脈、自覚症状について

  • 動悸や脈の乱れを感じる
  • めまいや立ちくらみ
  • 胸の違和感
  • 強い疲労感

特に胸の痛み、呼吸困難、意識が遠のくといった症状がある場合は、
救急要請を積極的に検討してください。

夏に気をつけたい脱水予防

※心臓病や腎臓病などの持病がある方は、経口補水液や塩分摂取について主治医に確認しましょう。

1.こまめな水分補給

喉が渇く前に少量ずつ飲みましょう。

水だけでなく、
経口補水液や麦茶などもおすすめです。

2.塩分補給

発汗が多い日は水分補給に加えて、
塩分タブレットや塩飴も活用しましょう。

3.室温管理

エアコンや扇風機を使い、
室温は28℃以下を目安に保ちます。

4.直射日光を避ける

外出時は日傘の使用や木陰での休憩、
帽子の着用などで体温の上昇を防ぎます。

5.衣服での工夫

通気性の良い服や、
屋外作業時には送風機付きの作業服を着用して、

熱を逃がします。

6.アルコール・カフェインの摂りすぎに注意

利尿作用があるため、
脱水を進める原因となります。

医療機関受診の目安

  • 脈の乱れや動悸が続く
  • 脱水症状(口の渇き、尿量減少、皮膚の乾燥)と不整脈症状が同時にある
  • 過去に不整脈や心臓病と診断されたことがある

これらの症状がある場合は、
循環器内科・循環器科での受診をおすすめいたします。

早期に心電図検査などを行うことで、
原因や治療方針が明確になります。

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まとめ

夏の脱水は、熱中症だけでなく心臓にも大きな負担をかけ、
不整脈を引き起こすことがあります。

日常的な水分・塩分補給と室温管理を心がけることで、
心臓の負担を減らすことができます。

心臓に持病がある方は特に、
夏場の体調変化に敏感になり、

異常を感じたら早めに医療機関へ相談しましょう。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

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