- 「高血圧と心電図異常は関係あるの?」
- 「高血圧があっても、心電図に異常がなければ問題ない?」
- 「心電図の左室肥大やST変化は危ない所見なの?」
健康診断や診察で高血圧を指摘されたとき、
あわせて心電図検査を受けることがあります。
心電図は、心臓の電気的な動きを見る検査です。
高血圧そのものを
直接診断する検査ではありませんが、
血圧が高い状態が長く続くことで
心臓に負担がかかり
その影響が心電図に表れることがあります。
代表的なものが、
「左室肥大」や「ST-T異常」などの所見です。
一方で、高血圧があっても
心電図では「異常なし」と判定されることも
少なくありません。
そのため、心電図に異常があるかどうかだけで、
高血圧による心臓への負担を
すべて判断できるわけではありません。
この記事では、
高血圧と心電図変化の関係について
「左室肥大」や「ST変化」、
そして「異常なし」と言われた場合の考え方も含めて、
循環器専門医が
できるだけわかりやすく解説いたします。
✅健康診断の心電図で【経過観察】や【異常なし】…でも体調不良? それって病気?
✅循環器内科とは?専門とする病気・症状・受診の目安を医師が解説

本記事は、下記:親ページの続きとして書きました。
ご興味があれば、最初から読んでみてくださいね。
※本サイトの内容は、医療従事者向けの学習・情報整理を目的としたものです。
※診断や治療を目的としたものではありません。
※医療情報は日々更新されるため、実際の医療現場では最新のガイドラインや一時情報をご確認ください。
高血圧とは
高血圧とは、おおむね、
収縮期血圧が140mmHg以上
または拡張期血圧が90mmHg以上
の状態を指します。
※細かくはガイドライン等にて示されています。
多くは原因を特定できない
本態性高血圧と呼ばれるもので、
腎血管性高血圧などの
二次性高血圧は一部に限られます。
高血圧は日常診療でよく遭遇する病気で
左室肥大や心不全の重要な原因となります。
高血圧を専門的に診療する診療科は
循環器科・循環器内科となります。
高血圧がご心配な方は、
お近くの循環器科・循環器内科受診を検討しましょう。
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✅循環器内科とは?専門とする病気・症状・受診の目安を医師が解説
高血圧の心電図所見
高血圧が続くと、
心臓のメインポンプである
左心室に圧負荷がかかります。
その結果、
求心性左室肥大をきたし
心電図では左室肥大所見として表れます。
進行すると左室内圧が上昇し、
さらに左房圧上昇を介して
左房負荷所見を示すことがあります。
ST-T異常や左軸偏位を伴うこともあります。
👇各心電図所見の一般的な解説はこちら(リンク)
心電図の左室肥大所見
左心室の圧負荷により、
左心室壁の肥厚や左心室心筋量の増加が起こります。
そのため心電図では、
QRS波の高電位として表れやすくなります。
具体的には、
胸部右側誘導のV1では深いS波、
左側誘導のV5・V6では高いR波を認めます。
心電図 左室肥大の基準
以下のいずれかを満たす場合、
電位基準上の左室肥大と判定すします。
- SV1 + RV5 または RV6 > 35mm
- RV5 または RV6 > 26mm
- RI + SIII > 25mm
- RaVL > 11mm
心電図 左室肥大の二次的所見
左室肥大が進行すると、
高電位所見だけでなく、
ST低下、T波平低化、T波陰性化などの
ST-T異常を伴うことがあります。
特に肥大が高度になると、
V5・V6誘導で上に凸のST低下から
陰性T波へ移行する所見がみられ
これはストレインパターンと呼ばれます。
このような場合、心電図上は
「ST-T異常を伴う左室肥大」
または「ストレインパターンを伴う左室肥大」
と表現されます。
👇各心電図所見の一般的な解説はこちら(リンク)
成人の左室肥大の原因として
最も多いのは高血圧です。
ただし、40歳以下で
ST-T異常を伴う左室肥大所見を認める場合には、
病的な心筋肥大をきたす
心筋症も考慮する必要があります。
心電図の左房負荷所見
高血圧が続き、
左室肥大が高度になるほど
左室内圧が上昇し
左房圧も上昇しやすくなります。
その結果、
左房負荷所見を示すことがあります。
左房負荷では、
II誘導で幅広い結節状のP波を
認めることがあります。
また、V1誘導ではP波が二相性となり、
後半の陰性成分が大きく広くなります。
心電図 左房負荷の基準
以下のいずれかを満たす場合
左房負荷と考えます。
- II誘導でP波幅が0.12秒以上
- V1誘導でP波陰性成分の面積が1mm²以上、または幅が0.06秒以上
心電図の左軸偏位所見
左室肥大により、
左室方向への電気的な力が強くなると、
左軸偏位を示すことがあります。
心電図 左軸偏位の基準
心電図では、
I誘導でR波がS波より高く、
aVF誘導でR波がS波より低い場合
左軸偏位と判断されます。
心電図所見を「高血圧のせい」と自己判断しないことも大切です
高血圧では
左室肥大やST-T異常、左房負荷、左軸偏位などの
心電図変化がみられることがあります。
しかし、これらの所見は高血圧だけでなく、
他の心臓病でもみられることがあります。
そのため、心電図で異常を指摘された場合に、
「高血圧があるから、そのせいだろう」
と自己判断するのは避けた方がよいでしょう。
血圧が高い以外に、
気になる自覚症状がある方や
ご心配な方は、循環器内科・循環器科で
相談することをおすすめいたします。
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まとめ
- 高血圧はおおむね、140/90mmHg以上
- 心電図変化を伴わないこともあるが
- 左室肥大、左房負荷、左軸偏位などの心電図変化を認めることもある
以上となります。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
高血圧が心配な方は、
お近くの循環器科・循環器内科受診を検討しましょう。
