学校検診で心電図にひっかかったら、2次検査は何科受診?小児科?内科?

小学校、中学校、高校と、子供さんの学校検診で

心電図に異常があるので、
2次検診や病院・クリニックを受診をしてください」、

と学校から言われたら……びっくりしますよね。

不安になって当然です。

この記事では、循環器専門医がその不安を少しでも和らげるため、
できるだけわかりやすく説明します。

学校をイメージした黒板の前にハートの模型が置いてあります。

まず最初に:かかりつけ医がいれば、必ず相談を

すでに心臓のご病気があり、
かかりつけの小児科や循環器専門の医師に通っている場合、

まずは必ずそちらにご相談ください。

場合によっては、
すでに医師が子供さんの心電図の異常波形や不整脈を把握していて、

「追加の検査は不要」という判断になることもあります。

何科を受診すればいいの?|小児科?内科?

小児科?それとも内科?どっちに行けばいいの?」

学校健診の結果を見て、
迷う方が多いと思います。

実はこの“小児科なのか、
内科なのか”については、

地域や医療機関によって少しずつルールが違います

ですが、ひとつの目安として、

  • 15歳未満の子供さん(小学生・中学生)
    → 小児科が基本
  • 15歳以上(中学生の終わり〜高校生・大学生)
    → 内科での対応になることが多い

という区分があります。

ただし、小学生、中学生、高校生の子供さんがどの科にかかるか
最終的には医療機関ごとの方針で決まることも多いため、

可能であればクリニックや病院に一度電話で確認しておくと安心です。

ポイント:「循環器」に対応しているかどうかをチェック

心臓のこと、そして学校検診の心電図で見つかるような、
波形の異常や不整脈は、

「循環器(じゅんかんき)」という専門分野が担当します。

ですので、病院やクリニックを探すときは、
“循環器”の表記があるかどうかを、

ひとつの判断材料にされるとよいでしょう。

  • 内科であれば
    「循環器内科」「循環器科」 などと書かれているところ
  • 小児科であれば
    → 「小児循環器」や「小児科・循環器科」と書いてあると安心です

また、最近はどの医療機関も、
Webサイトを持っていることが多いので、

受診前に医師のプロフィールや診療科の説明を、
チェックしてみるのもおすすめです。

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2次検診や医療機関受診で行われる可能性がある主な検査

心電図異常が見つかって再評価となる場合、
以下のような検査が追加で必要となることがあります。

学校検診の心電図異常、2次検査内容を医師が解説しています。

※ここに挙げたすべての検査や項目が、必ず必要になるわけではありません。
※実際にどの検査を行うかは、医師と相談のうえで決まります

また、特に「運動負荷試験」は、
設備のある医療機関とない医療機関があります

受診予定のクリニックや病院に、
事前に確認しておくことをおすすめします

安静時心電図(12誘導) 

心臓の電気的な動きを、
静かに横になった状態で記録する検査です。

胸や手足に電極をつけて、
心臓のリズムや異常な波形を調べます。

検査時間は数分程度で終わり、痛みもありません

胸部レントゲン

胸のレントゲン写真を撮影し、
心臓の大きさや形、肺の状態を確認する検査です。

心肥大や肺うっ血
その他の呼吸器の異常も一緒にチェックできます。

学校検診後の二次検査としては、
基本的なスクリーニングにあたります。

心臓超音波検査(心エコー)

超音波を使って、
心臓の動きや形、弁の動き、血液の流れを、

リアルタイムで見る検査です。

赤ちゃんの健診でも使われるほど安全で、
放射線の被ばくもありません

**心臓の構造的な異常(先天性心疾患など)**がないかを
調べるときに重要です。

ホルター心電図(24時間記録)

小型の心電図装置を身につけて、
日常生活の中で心電図を24時間記録する検査です。

不整脈の出現頻度、一時的に出る不整脈や、
症状との関係を調べるのに適しています。

シャワーや運動の制限はあるものの、
基本的には普段通りの生活をしながら受けられます

運動負荷試験

歩いたり、自転車をこいだりして運動をしながら、
心電図を記録する検査です。

安静時では現れにくい心電図の変化(不整脈や血流不足など)をチェックできます。

心臓のはたらき具合や、運動中に症状が出るかどうかを、
評価したいときに行われます。

注)施設によっては対応していない場合があるため、
  事前に確認をおすすめします。

2次検診が必要な可能性がある心電図波形異常、不整脈一覧

学校検診の心電図波形異常や、
不整脈が下記にあてはまる場合

2次検診が必要になるケースが多いです。

各所見に詳細記事へのリンクが貼ってあります。

成人を対象とした記事ですが、
よろしければクリックしてご参照ください。

心電図波形異常、不整脈一覧

50音, abc順です。
 リンクのないものは準備中です

※この一覧は、すべての心電図所見を網羅しているわけではありません。

※記載のない所見でも、調査票や学校医の判断によっては2次検診や医療機関への受診が必要となる場合があります。

親御さん・ご本人へ:受診前の準備として

ご心配なお気持ちはとてもよくわかります。

さらに親御さんと子供さん、
一緒に受診するとなると時間調整や交通の都合など、

現実的にも大変ですよね。

上記のようなポイントをあらかじめ確認しておくことで、
受診、検査計画、方針決定が、

スムーズになることがあります。

当サイトがお役に立てば幸いです。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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