健康診断や学校検診の心電図で、
「洞徐脈(どうじょみゃく)」と書かれていて、
ご不安になっていませんか?
「原因はスポーツしてるから?」
「困った症状はないけど…?」
「洞徐脈ってどういう意味?」
・・・とご心配になる方も多いと思います。
ここでは、洞徐脈の意味や原因、症状、
スポーツやアスリートとの関係について、
循環器専門医ができるだけやさしく解説します。

この記事は、下リンク:親ページの続編として書かれています。
よろしければ読んでみてくださいね。
心電図の洞徐脈とは?意味を簡単解説
心臓は電気信号が流れることによって、「ドクン」っと1回拍動します。
この電気信号を最初に出す、
いわゆる…親分を「洞結節」と呼びます。
この親分である「洞結節」が心臓のリズムを決めるのですが、
そこが原因で脈がゆっくりになっている状態が「洞徐脈」となります。
洞徐脈と心拍数
通常、大人の安静時の心拍数は1分間に60〜100回ですが、
洞徐脈はおおむね50回/分以下になった場合に診断されます。
判定元の医療機関や、健康診断センターによりますが、
- 心拍数: 45~49回/分 異常なし
- 心拍数: 40~44回/分 要再検査
- 心拍数: 39回/分以下 要精密検査・治療
といった判定となる事が多いです。
洞徐脈の心電図と症状について
多くの場合、洞徐脈は無症状です。
特にスポーツの習慣がある人、アスリート、
若い人では問題にならないことが多いです。
ただし、脈が極端に遅い場合には、
- 動悸
- めまい
- ふらつき
- 失神
といった症状が出ることがあります。
気になる自覚症状がある方は、
循環器内科・循環器科への受診を検討してくださいね。
心電図、洞徐脈の原因について
洞徐脈にはいくつかの原因があります。

生理的なもの(病気でないもの)
- 睡眠中や安静時
- スポーツの習慣のある方
- アスリート
病気が関係しているもの
- 洞不全症候群(洞結節の働きが弱くなる)
- 心筋梗塞や心筋症など心臓の病気
- 薬の副作用(β遮断薬、Ca拮抗薬など心拍数を抑える薬)
- 甲状腺機能低下症
- その他
徐脈と洞徐脈の違いについて
徐脈
原因を問わず、
脈がゆっくりであることを広く表す言葉
洞徐脈(= 洞性徐脈)
心臓のリズムが正常経路:洞結節(親分)から出ていて、
その上で脈が遅い状態
つまり、洞徐脈(=洞性徐脈)は、
徐脈のなかの1つの種類という事になります。
他にも「心房細動による徐脈」、
「房室ブロックによる徐脈」などがあります。
スマートウォッチ心電図で洞徐脈はわかる?
スマートウォッチの心電図機能は、
脈が「ゆっくりしている」あるいは「速い」といった、
リズムの異常をとらえることを比較的得意としています。
そのため、日常生活の中で心電図を記録し、
病院やクリニックでの診察時に、
参考資料として役立つこともあります。
ただし、スマートウォッチ心電図でわかるのは 、
「脈がゆっくり=徐脈である」 というところまでです。
それが「洞徐脈」なのか、
あるいは他の種類の徐脈なのかを判断するには、
病院やクリニックで行う12誘導心電図やホルター心電図が必要となります。
あくまでスマートウォッチは、
「きっかけづくりのツール」として活用し、
正確な診断は必ず医療機関で受けることが大切です。
スマートウォッチ心電図と病院・クリニックでの心電図の違いについては、
こちらの記事もご覧ください。
アスリートと洞徐脈について
スポーツをしている人では、
安静時の心拍数が40回/分台になることは珍しくありません。
これは心臓が効率よく拍出できている証拠で、
「スポーツ心臓」と呼ばれる正常な適応反応です。
つまり、運動習慣のある方の洞徐脈は、
必ずしも「異常」ではありません。
洞徐脈の心電図、受診の目安
- 心拍数がかなり遅い
- めまい・失神などの自覚症状がある
- 心臓病の既往がある
- ご不安・ご心配に感じる
こういった場合は、
早めに循環器内科・循環器科を受診をお勧めいたします。
あなたの健康診断結果に少しでも安心が加われば幸いです。
まとめ
- 洞徐脈は「脈がゆっくりめ」という意味です
- スポーツ習慣のある方、アスリート、若い人では問題ないことが多いです
- 病気が隠れていることもあります
- 洞徐脈で受診される場合は、循環器内科・循環器科を検討してくださいね
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!