健康診断や学校検診の心電図結果に、「洞頻脈」と書かれていて、
「洞頻脈って何?」
「不整脈の一種なの?」
「緊張してたのが原因かな?」
・・・など、ご不安や疑問を感じていませんか?
本記事では、心電図で「洞頻脈」を指摘された方に向けて、
その意味・原因・治療についてなどを、
循環器専門医がわかりやすく解説いたします。

本記事は下記ページの続きとして書かれています。
ぜひ最初から読んでみてくださいね。
心電図、洞頻脈とは?不整脈なの?|ザックリ解説
電気信号が流れることにより、心臓は「ドクン」と拍動します。
この電気信号を最初に出す場所を「洞結節」と呼びます。
つまり洞結節とは…心臓に命令を出す親分です。
この親分である「洞結節」が心臓のリズムを決めるのですが、
そこが原因で脈が速くなっている状態が、「洞頻脈」と呼ばれます。
心臓のリズム自体は一定で規則正しく、
波形も正常パターンが保たれており、
不整脈ではありません。
一方で、洞結節が原因で脈がゆっくりになっている状態は
「洞徐脈」と呼ばれます。
洞頻脈と心拍数
通常、大人の安静時の心拍数は1分間に60〜100回ですが、
洞頻脈はおおむね100回/分以上になった場合に診断されます。
判定元の医療機関や、健康診断センターによりますが、
- 心拍数: 86~99回/分 心拍過多
- 心拍数: 100~回/分 洞頻脈
といった判定となる事が多いです。
洞頻脈と洞性頻脈の違いはあるの?
「洞頻脈」と「洞性頻脈」は同じ意味です。
医療現場ではどちらの表記も使われますが、
どちらも“洞結節が原因で起こる頻脈”という点で同一です。
洞頻脈の心電図、自覚症状について
洞頻脈そのものでは、
はっきりとした自覚症状がないことがほとんどです。
ただし、脈が速くなること自体を感じる方もおり、
「動悸(ドキドキする感じ)」として、
自覚されることがあります。
また、洞頻脈となる原因によって、
以下のような自覚症状を感じることがあります。
- 動悸
- 倦怠感
- 息切れ
- めまい、ふらつき
気になる自覚症状があったり、ご心配・ご不安な方は、
一度、循環器内科・循環器科でご相談されると安心です。
心電図の洞頻脈、原因や背景など

運動時では生理反応として、洞頻脈となります。
安静時でも、緊張やストレスにより、
また何らかの原因で痛みや発熱がある場合など、
交感神経が優位になることで、心拍数が上昇します。
そのほか、脱水などの体調変化や、
貧血や甲状腺機能亢進症などの病気、
カフェインやアルコール摂取、一部の薬剤の影響などで、
洞頻脈となる事があります。
洞頻脈の心電図、受診時のポイント解説
気になる自覚症状があったり、ご心配な方は、
循環器内科・循環器科受診を積極的にご検討ください。
その際、病院やクリニックの公式サイトなどで、
医師のプロフィールに、以下のような記載があると安心です。
- ○○循環器学会 専門医/認定医/所属
- △△不整脈心電図学会 専門医/認定医/所属
洞頻脈は多くの場合、
生理的な反応によるものですが、
脈が速くなる「不整脈」
(上室性頻拍・心房粗動・心房細動など)も存在します。
そのため、心電図で「洞頻脈」と書かれていても、
本当に洞性の頻脈なのかを、
専門的に見極めることが大切です。
場合によっては、その後の検査や治療方針が、
変わってしまうこともあります。
心電図、洞頻脈と治療について
多くの洞頻脈は一時的な生理的反応であり、
治療が不要なケースがほとんどです。
ただし、原因が病気による場合は、
その根本原因の治療が必要になります。
- 発熱 → 原因感染症などの治療
- 脱水 → 水分・電解質の補給
- 甲状腺機能亢進症 → 甲状腺の治療
- 貧血 → 鉄分補給や原因疾患の治療
- その他、原因に合わせた治療
病気がない場合でも、医師の判断により、
β遮断薬などの脈を抑える薬が使用されることもありますが、
自己判断で薬を飲むことは避けましょう。
スマートウォッチ心電図で洞徐脈はわかる?
スマートウォッチの心電図機能は、
脈が「速くなっている」あるいは「不規則に感じる」といった、
リズムの変化をとらえることを比較的得意としています。
そのため、日常生活の中で心電図を記録しておくことで、
医療機関で診察を受ける際の参考データとして役立つことがあります。
ただし、スマートウォッチの心電図でわかるのは、
「脈が速い=頻脈である」ことまでにとどまります。
それが洞頻脈(どうひんみゃく)なのか、
それとも他の種類の頻脈(不整脈)なのかを正確に判断するには、
病院やクリニックで行う12誘導心電図や24時間ホルター心電図などの検査が必要です。
スマートウォッチはあくまで、
「気づきのきっかけを与えてくれるツール」として上手に活用し、
最終的な診断は必ず医療機関で受けることが大切です。
スマートウォッチと医療機関での心電図の違いについては、
こちらの記事もぜひご覧ください。
※執筆時点での情報をもとにしています。
※スマートウォッチの機能や医療機器認定は日々アップデートされていますので、
 最新情報はメーカーや公式発表をご確認ください。
まとめ
- 洞頻脈(洞性頻脈)は、心臓が規則正しく速く打っている状態
- 緊張・発熱・脱水などで一時的に起こることが多く、心配いらない場合が多い
- 持続する・症状を伴う、心配が強い場合は循環器内科の受診がおすすめ
- 専門医による評価で、原因を特定し適切に対応できる
以上となります。
ここまで読んでいただきありがとうございます!

