最近よく耳にする「スマートウォッチで心電図がとれる」という話題。
「それって、クリニックや病院の心電図と同じなの?」
「不整脈は本当にわかるの?」
「医療機器なの?」
・・・と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
病院やクリニックで行う12誘導心電図検査とスマートウォッチ心電図の違いを、
やさしく解説します。
また、医療機器として認定されているスマートウォッチ心電図と、
そうでないものの違いについても触れていきます。
※執筆時点での情報をもとにしています。
※スマートウォッチの機能や医療機器認定は日々アップデートされていますので、
最新情報はメーカーや公式発表をご確認ください。

病院・クリニックで行う12誘導心電図検査とは?
病院やクリニックで行う心電図検査は、
通常、胸や手足に電極を装着して行う、
「12誘導心電図」です。
- 12方向から心臓の電気信号を記録する(👉詳しくはこちら)
- 「波形の異常」や「不整脈」など幅広く診断できる
- 心筋梗塞、心肥大、虚血性心疾患などの発見にも有効
つまり、総合的に心臓の状態を評価できる検査が、
12誘導心電図なのです。
スマートウォッチの心電図機能とは?
一方でスマートウォッチの心電図機能は、
通常、手首や指先を使った1誘導心電図です。
- 測定できるのは「不整脈の一部(とくに心房細動)」や「脈が速いか遅いか」
- 12誘導心電図のように「波形の異常」までは難しい
- ただし、日常生活の中でいつでも・繰り返し測定できるという大きな強みがある
つまり「幅広く詳しく調べる」のは病院やクリニックの12誘導心電図、
「日常的にチェックする」のはスマートウォッチ心電図、
と役割が分かれています。
医療機器認定の有無にも注意
実は、スマートウォッチ心電図機能の中にも違いがあります。
厚生労働省から医療機器として認定されているもの
「管理医療機器」として正式に承認されており、
不整脈のチェックなどに使えます。
医療機器認定を受けていないもの
健康管理やフィットネス目的としての利用にとどまり、診断には使えません。
ご購入の際は、「医療機器認定の有無」を確認しておくと安心です。
12誘導心電図(医療機関で実施) | スマートウォッチ心電図 | |
---|---|---|
測定方法 | 胸・手足に電極をつけて12方向から記録 | 手首や指先で1方向(1誘導)を記録 |
わかること | 波形の異常、不整脈全般 | 不整脈の一部(主に心房細動) |
強み | 心臓全体を評価できる検査 | 日常生活の中で繰り返し測定できる |
検査時間 | 数十秒〜数分(その場の状態を確認) | いつでも・繰り返し可能 |
利用目的 | 診断や治療方針の決定 | 不整脈のモニタリング、受診のきっかけ作り |
医療機器認定 | 医療機器として必ず認定 | 医療機器認定あり/なし両方が存在 |
どう使い分ければいい?
病院・クリニックの12誘導心電図
症状がある時や健康診断で必須となります。
心臓全体の状態を詳しく調べるためには欠かせません。
スマートウォッチ心電図
動悸がある時や普段の生活の中でのモニタリングに便利です。
いつでも測定できるのも大きなメリットとなります。
つまり、スマートウォッチは「気づきのきっかけ」、
**病院・クリニックの心電図は「正確な診断」**という関係です。
スマートウォッチ心電図でわかる?わからない?
当サイトでは、健康診断や学校検診などで指摘される、心電図の各異常について
「スマートウォッチ心電図でわかるのか?」という観点からも解説しています。
スマートウォッチ心電図は一部の不整脈をチェックするのに役立ちますが、
クリニックや病院で行う12誘導心電図とは役割が異なります。
以下に各記事のリンクをまとめましたので、
気になる項目をチェックしてみてください。
まとめ
- 病院の12誘導心電図は「波形の異常」と「不整脈」の両方がわかる検査
- スマートウォッチ心電図は「不整脈の一部」しか見つけられないが、
日常生活で測定できるメリットがある - スマートウォッチの中にも「医療機器認定あり・なし」の違いがあるので注意
「スマートウォッチで異常が出たらクリニックや病院へ行く」
「クリニックや病院受診のきっかけとしてスマートウォッチを活用する」
このようにうまく使い分けることで、
より安心して自分の心臓を守ることができます。
動悸・胸の違和感がある方や、
スマートウォッチ心電図でご心配な方は、
循環器内科・循環器科受診をおすすめします。