肥大型心筋症とは?原因・治療と症状や日常生活で気をつけること

  • 肥大型心筋症とは?わかりやすく解説してほしい。
  • 症状や、日常生活で気をつけることは?
  • 原因は?治療はどうするの?

肥大型心筋症は、
主に左心室の筋肉が厚くなる病気です。

症状がないまま
長期間経過する人もいますが、

息切れや胸痛、不整脈、失神などが
みられることもあります。

また、肥大型心筋症には
いくつかのタイプがあり、

心臓から血液が出ていく部分が
狭くなるかどうかによって、
症状や治療方法が異なります。

この記事では、
肥大型心筋症の原因、症状、検査、治療、
日常生活で注意したいことについて、

循環器専門医がわかりやすく解説いたします。

👇よろしければ親ページから読んでみてくださいね。

循環器内科とは?専門とする病気・症状・受診の目安を医師が解説

ハートの模型が心電図の上に置いていあります。

※本記事は診断や治療を目的としたものではありません。
受診の判断材料や、理解を深める参考としてお使いください。
※医療情報は日々更新されるため、実際の医療現場では最新のガイドラインや一時情報をご確認ください。

肥大型心筋症とは

肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopathy:HCM)は、
高血圧や弁膜症などの

明らかな原因がないにもかかわらず、
左心室、または右心室の筋肉が厚くなる病気です。

心臓は、血液を受け入れてから
全身へ送り出していきます。

ところが、心筋が厚くなると
心臓の内部が狭くなり、
十分に広がりにくくなります。

その結果、心臓の中へ
血液を取り込む働きが低下し、

息切れや心不全症状に
つながることがあります。

また、厚くなった心筋によって
左心室から大動脈へ
血液を送り出す通り道が狭くなる場合もあります。

肥大型心筋症の頻度は、
人口1,000人あたり約2人、
割合にすると約0.2%と考えられています。

Q
心筋が分厚く見えたら、全て肥大型心筋症なのですか?
A

心筋が厚く見える病気は
肥大型心筋症だけではありません。

高血圧、大動脈弁狭窄症、心アミロイドーシス、Fabry病など
でも心筋肥大がみられるため、
これらの病気との区別が必要です。

肥大型心筋症がご心配な方は、
循環器内科・循環器科受診をご検討ください。

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肥大型心筋症は遺伝する?

肥大型心筋症には、
遺伝が関係していることがあります。

患者さんの約60%には、
常染色体顕性遺伝による家族歴があるとされ、

そのうちの一部では、
心筋の収縮に関係する「サルコメア」という
構造を作る遺伝子の変化が確認されます。

常染色体顕性遺伝とは、
両親のどちらかが原因となる

遺伝子変化を持っている場合、
子どもに受け継がれる可能性がある遺伝形式です。

ただし、家族に肥大型心筋症の人がいない場合でも
発症することがあります。

反対に、原因となる遺伝子変化を持っていても、
すぐに心筋肥大が現れるとは限りません。

遺伝性が疑われる場合

家系図の作成、遺伝子検査、
ご家族に対する心電図や心エコー検査などが検討されます。

遺伝子検査を行う際には、
検査結果が本人や家族に与える影響について
説明を受ける遺伝カウンセリングも重要です。

肥大型心筋症はどのように診断する?

肥大型心筋症の診断では、
心エコー検査や心臓MRIを行い、
心臓の筋肉がどの程度厚くなっているかを調べます。

一般的には、左心室の壁の最も厚い部分が
15mm以上あることが、診断の目安の一つです。

家族に肥大型心筋症の人がいる場合には、
心筋の厚さが13mm以上でも
肥大型心筋症の可能性が検討されます。

ただし、心筋が厚いというだけで
肥大型心筋症と診断されるわけではありません。

高血圧や心臓弁膜症など、
ほかの原因によっても
心筋が厚くなることがあるためです。

症状や家族歴、心電図、心エコー検査、
心臓MRIなどの結果を総合し、

ほかの病気による心筋肥大ではないことを
確認したうえで診断します。

肥大型心筋症がご心配な方は、
循環器内科・循環器科受診をご検討ください。

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肥大型心筋症の種類

肥大型心筋症は
心筋が厚くなる場所や、

心臓から送り出される血液の流れが
妨げられているかどうかによって
いくつかのタイプに分けられます。

閉塞性肥大型心筋症

厚くなった心筋によって、
左心室から大動脈へ血液が出ていく
通り道が狭くなるタイプです。

「閉塞性肥大型心筋症(HOCM)」と呼ばれます。

血液の通り道が狭くなる程度は一定ではなく、
運動や脱水、血圧の変化などによって
強くなることがあります。

そのため、安静にしているときには目立たなくても、
運動時に血液の流れが悪くなる場合があります。

非閉塞性肥大型心筋症

心筋は厚くなっていますが
左心室から血液が出ていく通り道には
明らかな狭窄がみられないタイプです。

ただし、血液の出口が狭くなくても、
厚くなった心筋によって心臓が十分に広がりにくくなり
息切れや心不全の症状が現れることがあります。

心室中部閉塞性肥大型心筋症

左心室の出口ではなく、
中央付近が狭くなるタイプです。

左心室の中で血液の流れが妨げられ
心臓の内部に圧力の差が生じます。

心尖部肥大型心筋症

心臓の先端にあたる「心尖部」を中心に
心筋が厚くなるタイプです。
日本人に比較的多いとされています。

心尖部は通常の心エコー検査では
確認しにくいことがあり、
必要に応じて心臓MRIやCTで詳しく調べます。

拡張相肥大型心筋症

肥大型心筋症の経過が長くなるなかで、
一部の患者さんでは、

厚くなっていた心筋が次第に薄くなり
心臓の収縮する力が低下することがあります。
この状態を「拡張相肥大型心筋症」と呼びます。

心臓が大きくなって
血液を送り出す力も弱くなるため、

息切れやむくみなどの
心不全症状が現れやすくなります。

肥大型心筋症ではどのような症状が現れる?

肥大型心筋症があっても、
症状がほとんどない人は
少なくありません。

一方、病気が進行したり、
左心室の出口が狭くなったりすると、
次のような症状が現れることがあります:

  • 動いたときの息切れ
  • 胸の痛みや圧迫感
  • 動悸
  • めまい、立ちくらみ
  • 失神
  • 疲れやすさ
  • その他
主な自覚症状とその原因
息切れ

厚くなった心筋が十分に広がらず、
心臓の中へ血液を取り込みにくくなる
ことなどによって起こります。

胸の痛み

厚くなった心筋が
必要とする酸素量が増える一方で、

心筋への血液供給が
不足することが一因です。

狭心症のように冠動脈に明らかな狭窄がなくても、
胸痛が現れることがあります。

動悸

心房細動や心室性不整脈などによって起こるほか、
心臓の収縮を強く感じるために
自覚することもあります。

失神

重い不整脈、左心室流出路の狭窄、
血圧低下などがあります。

運動中や運動直後の失神は
重要な症状であるため、
早めの受診が必要です。

肥大型心筋症がご心配な方は、
循環器内科・循環器科受診をご検討ください。

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診察ではどのような異常がみられる?

肥大型心筋症では、
心臓が硬くなって広がりにくくなるため、

聴診で「第4心音」と呼ばれる音が
聞かれることがあります。

閉塞性肥大型心筋症では、
左心室から血液が出る際に流れが乱れ、
収縮期心雑音が聞かれることがあります。

心雑音の強さは、体の姿勢や
脱水状態などによって変化します。

ただし、心雑音がないからといって
肥大型心筋症を否定できるわけではありません。

肥大型心筋症の検査

12誘導心電図

肥大型心筋症の患者さんでは、
75~96%程度に何らかの心電図異常が
みられるとされています。

代表的な所見には、次のようなものがあります:

心電図の変化は
心筋が厚くなっている場所や程度
病気の進行段階によって異なります。

ただし、心電図だけで
肥大型心筋症と診断することはできません。
心エコーなどの画像検査と合わせて判断します。

肥大型心筋症の心電図所見|波形の特徴、左室肥大・ST変化・異常Q波を解説

ホルター心電図

ホルター心電図は
小型の機器を装着し、

通常8時間以上にわたって
心電図を記録する検査です。

記録時間の短い12誘導心電図などでは
確認できない不整脈を調べることができます。

肥大型心筋症では、
発作性心房細動や持続性心房細動、

非持続性心室頻拍などが
見つかることがあります。

これらの不整脈は、
脳梗塞や突然死の危険性を評価するうえでも重要です。

症状がない場合でも、
定期的にホルター心電図を行うことがあります。

心エコー検査

心エコー検査は、
肥大型心筋症の診断と経過観察に欠かせない検査です。

主に以下の点を確認します。

  • 心筋の厚さと肥大している場所
  • 左心室の大きさ
  • 心臓が収縮する力
  • 心臓が広がる働き
  • 左心室から血液が出る部分の圧力差
  • 僧帽弁の動き
  • 僧帽弁逆流の有無

肥大型心筋症では、
心室中隔が左右非対称に厚くなることが
よく知られていますが、

すべての患者さんに同じ形の肥大が
みられるわけではありません。

閉塞性肥大型心筋症では、
僧帽弁の前尖が収縮時に心室中隔へ近づく
「収縮期前方運動(SAM)」がみられることがあります。

これにより、
左心室の出口がさらに狭くなったり、
僧帽弁逆流が起きたりします。

心臓MRI

心臓MRIは、
心エコーでは観察しにくい心尖部、

乳頭筋、右心室などを
詳しく確認できる検査です。

また、造影剤を使用した「遅延造影」によって、
心筋の線維化を調べることができます。

線維化の範囲は、
不整脈や突然死を含む
将来のリスクを判断する材料になります。

心エコーだけでは診断が難しい場合や、
突然死の危険性を詳しく評価する場合に有用です。

心臓カテーテル検査

胸痛などがあり、
狭心症や心筋梗塞の原因となる

冠動脈疾患が疑われる場合には、
心臓カテーテル検査が行われることがあります。

また、左心室内の圧力差を詳しく確認したり、
カテーテル治療の適応を
検討したりする目的で行われる場合もあります。

心筋生検

心筋生検は、
カテーテルを使って心筋の一部を採取し
顕微鏡で調べる検査です。

肥大型心筋症では、
心筋細胞の肥大や配列の乱れなどがみられますが、

これらは肥大型心筋症だけに
認められる所見ではありません。

Q
肥大型心筋症が疑われると、心筋生検は必ず行われますか?
A

肥大型心筋症では、
心筋細胞の肥大や配列の乱れなどがみられますが、

これらは肥大型心筋症だけに
認められる所見ではありません。

そのため、すべての患者さんに行う検査ではなく、
心アミロイドーシスなど
別の心筋疾患との区別が難しい場合に検討されます。

遺伝子検査

遺伝子検査によって、
心筋の収縮に関係する
遺伝子の変化が見つかることがあります。

特に家族内に肥大型心筋症や
若年での突然死がみられる場合、

ご本人の診断だけでなく、
ご家族の検査や経過観察の方針を
考えるうえでも役立ちます。

Tips !

遺伝子検査で
原因となる変化が見つからなかった場合でも、

肥大型心筋症を
否定できるわけではありません。

肥大型心筋症の治療

肥大型心筋症の治療は
症状の有無や心筋の状態、

血液の通り道が狭くなっているか
不整脈があるかなどをもとに決めます。

症状がなく、
将来の危険性も低いと判断された場合には

薬を使用せず、定期的な検査を受けながら
経過をみることもあります。

薬によって、肥大型心筋症そのものを
治せることはあまりなく、

治療の主な目的は、
息切れや胸痛などの症状を和らげ
心不全、脳梗塞、危険な不整脈などを防ぐことです。

息切れや心不全に対する治療

心臓の収縮する力が保たれている場合には
β遮断薬や一部のカルシウム拮抗薬などが使われます。

これらの薬で心拍数を抑えると
心臓が広がって血液を取り込む時間を確保しやすくなり
息切れなどの症状の改善が期待できます。

体内に水分がたまり
足のむくみや肺のうっ血がみられる場合には
余分な水分を排出する利尿薬を使用することがあります。

Caution !

ただし、閉塞性肥大型心筋症では水分を減らしすぎると
血液の通り道がさらに狭くなることがあるため、
慎重な調整が必要です。

病気が進行し、心臓の収縮する力が低下した場合には
一般的な心不全に準じた薬物治療を行います。

左心室の出口が狭い場合の治療

閉塞性肥大型心筋症では
まずβ遮断薬が使われることが一般的です。

十分な効果が得られない場合や
β遮断薬を使用できない場合には、

ベラパミルやジルチアゼムなどの
カルシウム拮抗薬が選択されることがあります。

それでも症状が改善しない場合には
心筋の収縮を抑える作用のある薬が追加されることがあります。

近年では、心筋ミオシン阻害薬である
「マバカムテン」が使用される場合もあります。

マバカムテンは、
心筋の過剰な収縮を抑え、

左心室から血液が出ていく通り道の狭さや
自覚症状を改善することを目的とした薬です。

心臓の収縮する力が弱くなりすぎることもあるため、
治療中は心エコー検査などで
心臓の働きを定期的に確認します。

心房細動を合併した場合

肥大型心筋症では
心房細動という不整脈を合併することがあります。

心房細動が起こると、
動悸や息切れが強くなるだけでなく

心臓の中に血のかたまりができ
脳梗塞を起こす危険性が高まります。

そのため
肥大型心筋症に心房細動を合併した場合には、

血栓をできにくくする
抗凝固薬が使用されることがあります。

また、症状や心臓の状態に応じて:

  • 心拍のリズムを整える薬
  • 心拍数を抑える薬
  • 電気的除細動
  • カテーテルアブレーション

などが検討されます。

心房細動・心房粗動についてはこちら

薬で改善しない閉塞性肥大型心筋症の治療

閉塞性肥大型心筋症では
薬を使用しても息切れや胸の痛み、
運動時の失神などが続くことがあります。

このような場合には、
左心室から血液が出ていく通り道を
広げる治療が検討されます。

心室中隔切除術

心室中隔切除術は、
厚くなった心室中隔の一部を手術で切除し

左心室から大動脈へ
血液が流れやすくなるようにする治療です。

薬を使用しても症状が十分に改善しない場合に
肥大型心筋症の治療経験が豊富な医療機関で行われます。

僧帽弁やその周囲にも
血液の流れを妨げる原因がある場合には
同時に修復することがあります。

経皮的中隔心筋焼灼術

経皮的中隔心筋焼灼術は、
「PTSMA」と呼ばれるカテーテル治療です。

厚くなった心室中隔の一部に
血液を送っている冠動脈へ

少量のアルコールを注入し、
その部分の心筋を縮小させます。

これにより、
左心室から血液が出ていく通り道を広げます。

一般には心室中隔切除術が治療の中心となりますが、
高齢の方や手術の危険性が高い方などでは、
PTSMAが選択されることがあります。

どちらの治療が適しているかは、
年齢や全身の状態、

心臓の形などを踏まえて
専門の医療機関で判断します。

突然死を防ぐためのICD治療

肥大型心筋症では、
まれに心室頻拍や心室細動などの危険な不整脈が起こり、
突然死につながることがあります。

こうした不整脈が起こる危険性が高いと
判断された場合には、
ICD(植込み型除細動器)の植え込みが検討されます。

ICDは、体内に植え込んで
心拍を見守る医療機器です。

危険な不整脈を感知すると、
電気刺激や電気ショックを与え
正常な心拍へ戻します。

過去に心室細動や重い心室頻拍による
心停止を起こした人では、
再発を防ぐためにICDが勧められます。

心停止を起こしたことがない場合でも、
次のような所見があると
ICDが検討されることがあります。

  • 心臓が原因と考えられる失神
  • 心筋が著しく厚くなっている
  • 若くして突然死した血縁者がいる
  • ホルター心電図で心室頻拍が確認された
  • 運動時に血圧が十分に上がらない
  • 心臓MRIなどで突然死の危険性が高いと判断された

ICDが必要かどうかは、
一つの検査結果だけで決まるものではありません。

症状や家族歴、心電図、心エコー、
心臓MRIなどをもとに、
複数の危険因子を総合して判断します。

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肥大型心筋症と運動

以前は、肥大型心筋症の患者さんに対して
運動を広く制限する考え方が一般的でした。

近年は、すべての運動を一律に禁止するのではなく、
症状、心筋の厚さ、左心室流出路の狭窄、
不整脈、失神歴などを評価したうえで、
個別に運動内容を決める方向へ変わっています。

適度な運動は、
体力や生活習慣病の改善に役立つ可能性があります。
一方、強度の高い運動や競技スポーツには注意が必要です。

競技スポーツへの参加についても、
専門医による評価を受け、

本人と医療者が危険性について
十分に話し合ったうえで判断します。
定期的な検査や運動内容の見直しも必要です。

ゴルフ、ボウリングなど比較的軽い運動であっても、
病状によって可能な範囲は異なります。

自己判断で運動を始めたり中止したりせず、
主治医に相談してください。

日常生活で注意すること

脱水を避ける

閉塞性肥大型心筋症では、
体内の水分が不足すると心臓へ戻る血液が減り、
左心室の出口がさらに狭くなることがあります。

大量の発汗、発熱、下痢、
食事や水分が取れない状態などに注意しましょう。

ただし、心不全がある人では
水分制限が必要な場合もあります。

適切な水分量は病状によって異なるため、
主治医の指示に従ってください。

塩分を取りすぎない

塩分の過剰摂取は、
体内に水分がたまりやすくなり
心不全を悪化させる原因になります。

ただし、極端な減塩や食事制限は体調を崩すこともあるため、
無理のない範囲で行います。

飲酒を控える

アルコールは血圧を下げたり
心筋の収縮を強めたりすることで、
左心室流出路の圧力差を増加させることがあります。

また、心房細動などの
不整脈を誘発する場合もあるため、
過度の飲酒は避けましょう。

定期的に検査を受ける

肥大型心筋症は
長期間変化が少ないこともありますが、

心筋の状態や不整脈の有無が
時間とともに変わる可能性があります。

症状がなくても、
心電図、ホルター心電図、心エコーなどによる
定期的な経過観察が必要です。

肥大型心筋症の予後

肥大型心筋症の年間死亡率は約1%とされ
多くの患者さんは症状がないか、
症状を治療しながら高齢まで生活しています。

その一方で、一部の患者さんでは、
心不全、心房細動、脳梗塞、心室性不整脈、突然死など
を起こすことがあります。

注意が必要な要因としては、次のようなものがあります。
  • 心臓の収縮機能の低下
  • 左心室の拡大
  • 左心室流出路の閉塞
  • 心房細動や心室性不整脈
  • 心臓が原因と考えられる失神
  • 若年突然死の家族歴
  • 著しい心筋肥厚
  • 心臓MRIで確認される広い範囲の心筋線維化

定期的に検査を行い
病状の変化や危険因子を早めに把握することが大切です。

家族も検査を受けたほうがよい?

肥大型心筋症は遺伝することがあるため、
親、兄弟姉妹、子どもなどの血縁者にも
検査が勧められる場合があります。

特に家族内に肥大型心筋症の患者さんや
若年で突然死した人がいる場合には
循環器内科へ相談してください。

ご家族に対しては、
まず心電図と心エコー検査を行い、
必要に応じて一定期間ごとに検査を繰り返します。

遺伝子検査で原因となる遺伝子変化が
特定されている場合には、

ご家族が同じ変化を持っているかどうかを
調べることもあります。

早めに受診したほうがよい症状

肥大型心筋症と診断されている人に
次のような症状が現れた場合には
早めに医療機関へ相談してください。

  • これまでになかった息切れ
  • 胸の痛みや圧迫感
  • 動悸が長く続く
  • めまいや意識が遠のく感じ
  • 失神
  • 足のむくみ
  • 急な体重増加
  • 夜間に息苦しくて横になれない

突然の強い胸痛、呼吸困難、失神、意識障害などがある場合には、救急要請が必要です。

まとめ

肥大型心筋症は、
高血圧や弁膜症などの明らかな原因がないにもかかわらず
心臓の筋肉が厚くなる病気です。

症状がないまま経過する人もいますが、
息切れ、胸痛、動悸、失神などが現れたり、
心不全や不整脈を合併したりすることがあります。

診断では、心電図や心エコー検査を中心に
必要に応じてホルター心電図、心臓MRI、
遺伝子検査などを行います。
ほかの病気による心筋肥大を除外することも重要です。

治療は病状に合わせて、薬物治療、心室中隔切除術、
経皮的中隔心筋焼灼術、ICDなどから選択されます。

肥大型心筋症と診断されても、
すべての人が重症化するわけではありません。

症状がなくても定期的な検査を受け、
自分の病型や不整脈、突然死の危険性について
把握しておくことが大切です。

ここまで読んでいただき、

ありがとうございます!

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